大江戸妖怪物語
雪華「一石二鳥だ」
神門「待て待て、どこをどう判断したら一石二鳥になるんだ?!投げた石を鳥に蹴り返されて頭ぶつけたレベルだぞ?!プラマイゼロ、むしろマイナスだ!」
?「いいんじゃないの?二階の一室は物置じゃない」
玄関から声が聞こえた。
神門「か、母さん?!」
母「布団の上の実戦経験なくて困ってるんでしょ?!男だったら腹決めなさい!!」
神門「母さん、ものすごい誤解してる!・・・っていうか、どのあたりから聞いてたの?!」
母「なんとなくでいける、からよ」
神門「一番誤解を招く場所から聞いてやがった!!」
雪華「よろしいのですか?二階の部屋を使わせていただいても・・・」
母「ベリーベリー大丈夫!娘が出来たみたいで嬉しいもの!神門、掃除してらっしゃい」
母さんが僕を指差した。
神門「僕がッ?!メンドクサッ!」
母「じゃあ、夕飯抜き」
神門「やるよ!やりゃあいいんでしょ!!」
僕は二階に駆け上がり、物置を人間が住める部屋にした。(かなりの速度で)
雪華「なかなか広いな。風呂はどこにある?」
神門「風呂は一階だよ。ただ、周りには公言するなよ」
雪華「なぜ?」
神門「江戸は木造の家が多いからな。風呂を沸かすときの火が、原因になったりするんだよ。だからみんな銭湯に通ってるってわけ。でも僕の家は内緒で、風呂付けてる」
雪華「火事にはならぬだろう。神門の火を利用すればいい」
神門「僕は物じゃねぇ!」
雪華「風呂はあとでゆっくりと堪能する」
雪華は階段へと向かった。
神門「ちょっと待てよ」
僕は雪華を引き留めた。
神門「雪華は・・・その・・・何歳なんだ?絡新婦は千年生きてんだろ・・・?てことは意外と雪華もオバサ・・・」
その言葉は先には続かなかった。なぜなら雪華は氷でできた氷柱(先端がかなり尖っている)を僕の首に近づけたから。