俺はホモじゃねぇ

がっちり何重にも囲まれていたから。



「モッちゃん、この荷物なに?」

「え?!学校は?!」



次々と質問が飛び出してくる。

ふざけんなよ。
さっきまで、散々俺の事あらぬ疑いの目で見てたくせして!!



チャラ先輩
「モッちゃん!!」



チャラ先輩が人混みを分け入ってきたが、160cmある俺の周りには、軽く10cm以上高い身長の男達が囲んでいて、俺自身がかなりビビっていた。


勿論、チャラ先輩もそのくらい背が高いんだけど、『見慣れた顔』はヤッパリ安心する。


チャラ先輩の手が俺に伸びてくると、俺は迷わず掴んで…自らチャラ先輩に抱きついて…

声を上げて泣いた。


『よしよし』
頭を撫でてくれるチャラ先輩に



「怖かったぁ!!」



と、聞きづらい鳴き声で言うと



チャラ先輩
「悪かったよ!!ごめんな、モッちゃん。」



と宥めてくれる。
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