この恋ウソから始まりました


浅井は、自信たっぷりにそう言うと、歩き始めた。



「おい、何やってんだよ?」


呆然と、立ち尽くすあたしを振り返る。


「何って、あたしたち、本当に付き合うの?」


「しつこいなお前は。ほら、電車一緒だろ?帰ろぜ」



差し出された手を、当たり前に握れるほど、あたしは男慣れをしていない。


だって、付き合った事ないんだから…。


「お前はホント、世話が焼けるな」




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