この恋ウソから始まりました
擬似恋愛
――ガタタン、ガタタン…。
いつもは一人の、通学電車。
だけど今日は、あたしの隣に浅井がいる…。
しかも、ずっと手を繋いだまま。
実は、あたしたち、電車も駅も一緒なんだ。
それは、知ってたんだけど、浅井が苦手で、ずっと時間をずらしてた。
だから、電車で一緒になった事はない。
「萌(もえ)、寄り掛かってろよ」
「も、萌!?」
いきなり、下の名前で呼ばないでよ。
ビックリするじゃん…。