この恋ウソから始まりました


「紗耶香のオムライスは、ケチャップご飯に、形はラグビーボール」


そこまで言うと、大翔は笑いをこらえてる。


「何、笑ってんの?」


「いや…。萌のはさ、バターライスで、ま、丸いじゃん」


「あ~!バカにしてるでしょ?」


もう~!形が丸いの、気にしてるのにぃ。



「してない、バカになんかしてないよ」



そう言うけど、目に涙が溜まってるよ?


「もういい…」


ふて腐れたあたしを、大翔は抱きしめた。


「ごめん、ごめん。同じオムライスでも、萌と紗耶香は違うって、言いたかったんだよ」




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