この恋ウソから始まりました


「大翔…」


ドキドキする。


なんだかんだで、あの初日以来、あたしは大翔に抱きしめられた事はない。


もちろん、キスだって。


「萌、可愛いな」


「あたしが?そんなの言われた事ないよ」


「自分が、気付かなかっただけじゃねえの?」



そんな事ないよ。


大翔だけだって。


あたしを、可愛いなんて言う人は。


「萌…」


大翔の顔が、ゆっくりと近付いてきた。




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