目一杯の愛で‥
屋上には
人、一人いなかった。
絢兎は
暖かい、日なたに寝込んだ。
あたしは絢兎の隣で
寝込んだ。
『あのさ、絢兎。』
『何だ?』
実はね?
『あたしも、別れること考えてるんだ。』
絢兎は驚いたように
起き上がった。
『今まで、凄く絢兎の隣にいれたらそれでよかったし、今もそうだけど』
絢兎は黙ってる。
『絢兎さ‥ ほんとは、あたしじゃなく、つづきのこと好きでしょ?』
わかってるよ、絢兎。
なにより、一番に
あなたを見続けていた、あたしだもの
ずっと、好きな人だもん
あたし、の隣にいる
つづきを見てるのも
流星が、
つづきと付き合ってるのを見るのが嫌で
屋上にいることも
あたしを‥
好きじゃないこともね。
『は?』
絢兎。
とぼけても、
嘘をついても無駄。
多分、
つづきと流星は別れる、と思う。
理由?
さっきの女たちよ。
中学、から付き合ってる二人は
高校に入って
一段と酷くなっている環境。
つづき、も
絢兎の良いとこは一杯わかると思う。
だから‥
あと、一週間
二年記念まで‥
隣にいさせて下さい。