卒業〜幸せの選択〜
「お前達何してんの!?」


呆れ顔で登場した保健の先生


「何って…まだ何にもしてねぇよ?今からす…


―バコッ

「いでっ!!何すんだよ!」


冬弥は渾身の力で那智の頭を叩いた。


「変な事言わないでくれる?」


睨み合う二人をかいくぐり、プリントを先生に差し出す唯子。


「先生プリントっ!!」

「ありがと!徳田も大変だね。あんなのに好かれて‥‥」


哀れむような顔で唯子を見る先生。


「あー!!トーヤ、みっちゃんにあんなのとか言われてやんの〜!」


那智はそう言って豪快に笑った。


「誰がみっちゃんだっ!!上田先生と呼びなさい!!」

「だって上田 美奈代じゃん!」

「つーか今のはどー考えてもお前だろっ!その頭は都合よくできてんね‥‥どれだけ前向きなんだよ。あっぱれポジティブ!」


冬弥はため息混じりにそう言った。


「えー!?みっちゃんマジでぇ?」

「だから、みっちゃんって呼ばないっ!!」


那智が上田先生に絡んでいる後ろで、冬弥は唯子に言った。


「‥‥帰ろっか?あんなのほっといて。」

「えっ?!ぁ、はい。」


いいのかなぁ…と思っている唯子の手を握って、保健室を出て行く冬弥。
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