卒業〜幸せの選択〜
屋上
卒業式後の屋上。

屋上に足を踏み入れた唯子の目に綺麗な横顔が飛び込んできた。


「…先輩。」


少し遠慮がちに呼びかけると、空を眺めていた顔がこちらを向いた。


「唯子。」

「えっと…」


その顔が余りにも綺麗で、すぐに言葉を紡げなかった。


「…西川先輩が好きです。彼女にしてくれますか?」

「当たり前じゃんっ!!」


先輩の綺麗な笑顔がこぼれた。

私もつられて笑顔になった。



昨日の帰り…

「ぁ…西川先輩」


唯子が見たのは那智と知らない老婆。


「暇だし案内したげる!!」


道を尋ねてきた老婆に連れてってあげると言う那智


「でもねぇ…」

「遠慮しなくていーって!ほら、荷物重そうだから持つし!!」


そう言って半ば強引に老婆から荷物を取り上げ笑う那智


「ありがとねぇ。」


老婆にお礼を言われたとたん照れ臭そうに笑う。


「自己中だし、うるさぃし、…だけどその人懐っこい笑顔に惹かれたんだよね。」

―――――


「ねぇ〜、何で俺を選んだの?」

「内緒です!」


これからもその笑顔を見させてくださいね?

先輩っ!!


―END―

*あとがき*は26ページです。
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