卒業〜幸せの選択〜
「ぁ…」

「…」


そこには“Sleeping Beauty”もとい、遊佐冬弥がスースーと寝息をたて寝ていた。


「遊佐先輩?!」

「ん…っ?!」


唯子の声にゆっくり瞼を開けた冬弥


「おはようございます。」

「…ゆい…こ?…」


まだ焦点が定まらない様子で、掠れた声で唯子と確認した。

布団の中でもぞもぞと動いている。


「もぅ学校終わっちゃいましたよ〜!?いつから寝てるんですかぁ?」


そんな猫のような冬弥を見て唯子はクスリと笑った。


「昼休み…まだ眠い。唯子も寝る?」


ぐいっ


「えぇっ!!」


腕を引っ張られ二人一緒にベッドの中におさまった。


「遊佐先輩っ!!」

「少しだけ…ね?」


冬弥はすっかり起きてしまった顔で甘えるように笑った。



「はぁ…」


やっぱり…“困ります!!”の一言が言えない私…

そう思いながら冬弥に目をやる唯子。

二人の視線が絡んだ。


「何?」


冬弥は唯子の気持ちを知ってか知らずか、目を細め笑っていた。


「…〜っ!」


ぐっ‥‥笑顔が可愛いんだもん…ずるぃですからっ!!



掴めなくて

どこか冷めてて


でも…

優しい…
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