愛してる?...たぶん。
「んーっと、いや、別に“たぶん”って付けるのが、全部が全部がいいって言ってるわけじゃなくって。えーっと、まぁそれは、もえ先生だから許される、っつーか、きっとその子も、もえ先生のそんなとこが好きになったのかなぁ…って思ったっていうか。とにかく、もえ先生は無理に俺みたいになろうとはせず、そのままでいいってこと、かな?」



「はあ」



「まっ、もえ先生は“もえ先生らしく”ってこと!」



「うっ、…うん?」



ヘラリと笑う和久井目の前に、つい小首を傾げてしまったが、これ以上考えたら間違いなく深みにはまってしまうような気がする。



ってか、答えを導き出すのに普段使わない部分を使ったせいか、軽く頭が痛い。



こんなことで知恵熱だけは出したくない。ってことで、とりあえず深く考えるのはよそう。



「えーっと、とりあえず、…ありがとう。和久井」



「どーいたしまして」



ニコッと笑う和久井と同じように笑った僕は、ふぅー…と息を吐くと、そこが体育館だと気にすることなくゴロリと寝転がった。

< 157 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop