愛してる?...たぶん。
好き、か…。



それがこんなに単純で難しいなんて、僕は今まで“好き”のなにを知ってたんだろう。



恵梨のことは好き…だった。



本当に本当に大好きで、愛してて、結婚したことに後悔なんてしていない。



でも、今の僕は彼女が好きで。



彼女のことを考えるだけで、胸がざわざわして、ドキドキして、照れ臭くて、自分が自分じゃなくなるみたいで少しだけ怖くなる。



「すっかり忘れてたけど、恋って、こんなんだったんだ…」



ひとりポツリと呟いた僕は、手のひらを天井に翳しながら、フッと笑みを溢した。

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