愛してる？．．．たぶん。

生徒？...いえ、卒業生です。

「これと、これと………よしっ！おっわり！！」



放課後の生物教官室。明日の授業の準備も無事終わり、椅子に座ったまま、んー…っと伸びをした僕は、デスクの上に置いていたコーヒーを一口飲むと、ふぅーとひとつ息をついた。



今日は１日、本当に平和だった。



クラス内で問題も起こることなく、神谷もいつも通りただウザいだけ。



てことは、僕の仕事は残すとこ後は部活のみ。



瞬間、チラリと時計を見ればただ今の時刻は５時前。



シュート練習終わって、ちょうど3on3でもしてる頃、かな。



バスケ経験は学生時代の体育の授業のみという残念な僕が行ったとこで、彼女達に何か教えてあげられることは出来ないが、ドリンク作りとボール拾いぐらいは出来る。あっ、あとボール研きも。



「よし。ぼちぼち行くか。っと。その前に…って、なんだこりゃ！？」



電源が落ちたまま放置し、そのまま充電していた携帯を開けば、まさかの着信20件。



履歴を見れば、全て“神谷”の文字。



ウザい。ってか、キモい。キモすぎる。



とりあえず着信履歴をオールクリアし、再び震えだした携帯の電源を落とした僕は、このなんとも不愉快な気持ちを落ち着かせる為、再びコーヒーを一口飲んだ。