愛してる?...たぶん。
姫って、まさか…。



いやでも、そんなわけ…。



「もえ先生!!固まらなくていいから早く来て!!」



「へ?」



「早く!!早く!!」



「ちょっ、待っ!!」



椅子に座ったまま口元をヒクつかせる僕の腕を掴み、無理矢理立たせた和久井は、戸惑う僕の腕をグイグイ引っ張った。



「ちょっ、和久っ!痛っ!」



「早く!マジヤバいんだって!!」



「なにが!」



「あーもうっ!いいから早く走って!!」



「ちょっ!?」



そして和久井に腕を掴まれたまま無理矢理走らされ、体育館へと入った僕は、目の前の光景を見つめながらあんぐりと口を開けた。



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