愛してる?...たぶん。
「ねぇ、センセ?アダムとイブは、知恵の木の実…“リンゴ”を食べて楽園から追放された。……ウソかホントか、これって結構有名な話…だよ、ね?」



「………」



アダムとイブ。確かに有名な話だ。



知恵の木の実…禁断の果実がリンゴに例えられているのは、僕でも知っている。



「でもそれが…ッ!」



瞬間、僕の頬に触れた彼女の指。



ほんのり冷たいその細い指が頬から顎を伝い、スッキリしすぎてスースーする首筋を通り……喉仏の上でピタリと止まった。

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