君との時間は・・・
「そっか。よぉ頑張ったな・・・。お疲れ様。お帰り、笑美。」


「ただいま、恵。」


でも、また笑美の顔が曇る。それから、俺も、少し驚く・・・。あれ・・・俺・・・


「恵?何で泣いてるの?」


なんでやろな・・・。あかんな・・・泣いてもうた。けど多分・・・


「笑美。俺、笑美のことメッチャ好きやわ。」


メッチャ好きやから、安心したから、涙が流れてもうたんかもしれへん。


「分かってるよ。私だって、恵のこと大好きだから。」


頑張って笑顔を作ってくれる笑美を見て、たまらず抱きしめてもうた。


体を起こしたらあかんから、笑美を横にしたまま、そっと上からかぶさる形やったけど。


笑美の体は布団からやったけど暖かさが伝わってきた。・・・ちゃんと生きてる。


良かった・・・。よかった。


そう思いながら、しばらくの間、笑美を抱きしめ続けた。
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