君との時間は・・・
「知ってるよ。それくらい、この学校の人は大体知ってるよ。ラブラブすぎるカップルだし。」


そんなに有名なんか、俺らは。微妙な心境やな。


「で。そんなこと知ってるんやったら、なんで俺に近づくん?」


「恵の彼女って今入院してるんでしょ?心臓の病気で、今は経過みてるのかな。」


「おい。返事になってへんやん。」


「だからさ、そろそろ終わり、かなって。」


「・・・何が言いたいんや。」


「だから~」


その言葉と一緒に、不気味な笑顔を作る知恵。一瞬だけ知恵が恐ろしく見えた。けど、見えただけやなかった・・・。


「私と付き合って。」


ここは校庭のど真ん中に近い場所。今の知恵は、笑ろてる。けど、目は全く笑ろてへん。


「・・・は?何?」


「また告白させるの?以外にほしがりだね、恵。」


「ちゃうわ。アホ。お前俺のことバカにしてるん?」


「知恵だってば~・・・。笑美さんのことも『笑美』って呼んでるんだったら知恵のことも知恵って呼んでよ~。」


「っざけんな!」


俺の怒声が校庭に響く。そこで、おれも我に返って・・・って今まで俺は何してたんやろ。


そう思って急いで学校を出た。あいつ・・・知恵は、追いかけてこぉへんかったはずや。


そして、向かったんは・・・家。俺の家。ホンマは笑美のところに行きたかった。


けど、もし知恵が俺の後をつけてて笑美の病室がバレでもしたら・・・。


そう思うと、行かれへんかった。ひとり、部屋で今日のことを思い返す。


ばかな俺はどうしたらえぇんか何もわからへんかった。けど、そんなとき助けてくれたんは・・・


ピピッ――
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