君との時間は・・・
「お、おう・・・。」


これ以上知恵と話してると何が起きるかわからへん。怒らせてもうたしな。


知恵はその場を一歩も動かへんかった。俺と春登についてくることはなかった。


教室に着いた俺と春登は一応もう一回確認して席に着いた。知恵はやっぱり追ってきてへんかった。


「恵!」


「わかってるて・・・あいつと関わったらあかんって」


「そうじゃない!」


え?そのこととちゃうの?春登は怒ってる。完璧に怒ってる。けど、その怒りの矛先は意外なところにあって・・・。


「女子にブスは禁句!!」


「そこかいっ!?」


「いくらなんでも、ブスは言い過ぎ。可愛くないって言えばいい。」


春登、意味は一緒なんとちゃう?と思いながら話を元に戻す。


「春登。知恵、これから何かしてくると思うか?」


「・・・。さぁ。わかんない。けど、多分このままじゃ終わらないと思う。」


そぉやわな。あれだけ俺にさんざんに言われといて何もしてこぉへん訳ないわな。


今になって少し後悔する。言い過ぎたことを。他のこと言ってたら、もぉ少し知恵の怒りを和らげたかもしれへん、と思う。


「けど・・・俺どないしたらえぇんかわからへんねん。春登はどうしたらえぇと思う?」


「ん~恵が俺に笑美さんを」


「あかん!あほか!」


「冗談、冗談。そんなことしたら俺の命ないだろ?」


「当たり前や。春登の命なんか知ったこっちゃない。」


「・・・辛い。」


「ジョークや、ジョークっ。」


・・・。しばらく沈黙が続く。
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