君との時間は・・・
「それ何。」


と、声を出したのは俺、やなくて隣におった春登で。


「・・・え?」


「それ何って聞いてるんだよ。」


「そ、それ?なんのことですか?」


「その目。」


目?と思って、知恵の目を見た。知恵の目は・・・普通やん。


「・・・私の目が何か?」


「嘘ついてるのバレバレ。」


「っ・・・」


「は?嘘?春登、どういうこと?」


「知恵の目は全く謝ってない。ってか、楽しんでる。恵の場所からなら見えないだろうけど。」


春登の言うてることの意味が全然分からへんかった。知恵の目が嘘言うてる?俺からは見えへん?


「恵の目の前にいる知恵の表情は恵からは見えない。けど、僕のいる斜めの場所からなら見えるんだよ?知恵ちゃんっ。」



「何言ってるの?笑ってなんかないよ。笑う理由なんてないでしょ?謝ってあ」


「謝る気なんてないくせに。僕と恵が周りから変な目で見られてるの知ってるから楽しいんでしょ。まるで」


「俺と春登がお前イジメてる、みたいに思わせようってことやな。」


「お、恵が頭いいこと言ってる。」


うっさい、さっき思ってたこと言うただけやし。


「そ、そんなこと思ってないよ。」


「目は口ほどにものを言うんだよ。じゃ、恵いこ~。」


「っおう。あ、そうや。最後に言うけど。俺」


「笑美しか見えてへんから。」
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