君との時間は・・・
一瞬空気が固まったりしたけど、春登はお気楽やな。まぁ、おかげで何とかなったけど。


「さんきゅ~春登。」


「なんか、こっちまでムカついちゃって。恵も、ちょっと頭良くなったみたいだし。」


「それは余計なお世話やぞ。」


「ん?なんか違うような・・・。まぁいいか。」


一人で解決すんなや、と思いながら教室へ向かう。で、入り口んところで春登が急に立ち止まって・・・


ドンッ――


「っった!?なんや、春登!」


「・・・恵。ごめん。」


「おう。まぁえぇけど。」


「違う・・・。そうじゃなくて・・・手遅れだったみたい。」


「・・・ん?」


教室を覗く。俺の目は黒板で止まった・・・。教室には、まだ誰もいてへん。


こういうの、ラッキーというか・・・なんというか。


黒板には赤のチョークで大きく・・・


「山本笑美はもうすぐ消える」


って書かれてた。俺の足は自然と動いてた。黒板に向かって。春登も黒板に向かう。


二人で、絶対に跡が残らへんように消した。こんな、デタラメ、なこと書くって・・・。


そこまでして、どうしたいねん・・・知恵。


この日は知恵の考えてることを考えることで頭がいっぱいやった。


俺の不安が大きくなっただけやった。けど、その2日後についに俺の不安が的中するとは思ってへんかった・・・。


次の日は、なんとなんと、何にも起きへんかった。知恵に会うこともなかった。


やっぱり、昨日謝ってきたんはホンマやったんや。そう思ってた。せやから・・・安心しきってたんが・・・あかんかったんや。
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