君との時間は・・・
「気のせいだったみたい。いつもの恵のバカな表情が出てる。」


「バカって、そんな表情あるんかい!?」


よかった。ごめんな、笑美。だましてることになるけど今は堪忍してな。


そして、学校に一緒に向かい始める。けど、途中から会話も途切れてきてた。


多分、笑美のことやから緊張しまくってるんやと思う。


校門に来るとやっぱりガッチガチで。


「大丈夫や。俺がおるんやし。」


俺がそう言って手を繋ぐと、笑美の表情からして少しだけ緊張がほぐれてくれたんかもしれへん。


なんとか、靴箱までたどり着いた時、ついに恐れてことが現実になった。


・・・嘘やん。このタイミングなんかい・・・。


靴箱にいたんは、知恵。そして、俺と笑美のところに走って向かってくる。


「ちょっと、恵!・・・なんで私じゃなくてこんな子なの!?私の方がずっと恵のこと好きなのに!」


あかん!こんな大胆なん!?どうしたらえぇねん!?と頭の中で大パニックになってる俺の隣で笑美も混乱してるみたいで。


「あの!私、隣のクラスの知恵ですけど。恵のことがずっと好きだったんです。」


「ちょ、知恵!昨日俺、お前に言うたやん。俺には笑美しか」


「そんなの嫌よ!認めないわよ!恵にこんな女不釣り合いよ!」


不釣り合い、な・・・。こいつ、完全に自分が一番やと思ってる。


けど、そんなんただの自己中やん。ってか、あかん、俺の中の何かが・・・おさまり気かへん。


そして、自分でも気付かない間に俺は叫んでて。


「うっさいわ!」


わかった。もう周りの目なんかどうでもえぇ。俺にも言いたいことは山ほどあるみたいや。もう、我慢できへん。


「なによ、恵!」


「俺にはこいつしかおらへんねん!なんやねん、不釣り合いて。」
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