君との時間は・・・
「不釣り合いよ!こんな女キレイでも可愛くもないのに。おまけに体だって悪いんでしょ?そんなんじゃそのうち、しん」


この女、自分が何言ってるんか分かってんのんか?


「そんなこと、俺がさせへん!」


笑美を死なすて、そんなこと俺が絶対させへん。


俺は気づいてへんかった。この時、やけに声が震えたり視界が歪むと思ってたのは確かやったけど。


まさか、その原因が涙やったなんて知らへんかった。


「笑美は死んだりせぇへん!俺が護るんや!」


「・・・何でよ!私の方が恵のこと大好きなのに!こんな女のどこがいいのよ!」


「こんな女とか言うなや!笑美は誰より可愛くてキレイや!」


止まらへん。笑美に対する俺の精いっぱいの言葉が溢れだす。


「どこがよ!どこがキレイなのよ!」


「笑美は見た目だけやなくて心もキレイや。俺はそうゆうやつが好きなんやし。せやけど、知恵はちゃう。俺は、こんな騒ぎ起こすやつなんか好きちゃう。」


なんでやろ。さっきまであんなに大声で叫んでた俺が、今は呟くように言えた。


多分、ちゃんと笑美に聞いてほしいと思う俺がおったんやと思う。勢いで言うてるんとちゃうって、伝えたかったんやと思う。


「恵・・・。」


「笑美。ごめんな。こんなことになってもぉて・・・。」


笑美もかなり怯えてるらしかった。ホンマに・・・ごめんな。


「あんたはそうやって恵に甘えたいだけなんでしょ!そんなんじゃ恵が可愛そうよ!どうせ、恵がかっこいいから彼女になっただけなんでしょ!」


「知恵!やめぇや!そんなこと言うてど」


「それは違うわ!」


笑美・・・?今、違うって言うたんは・・・笑美なん?


「何が違うのよ!恵の見た目で付き合ってるだけな」


「違うわ!私は、恵のことを」


笑美・・・俺もやねん。俺も・・・言いたかったんや。ずっと。笑美に、言いたかった言葉や。
< 137 / 153 >

この作品をシェア

pagetop