君との時間は・・・
笑美が死んでからの俺は、生きてるけど死んでるんと同じような感じやった。


いや、多分心は死んでた。けど、笑美からの手紙が届いてから生きようって思った。


俺がこんなんやったら笑美も悲しむんとちゃうかって思うようになった。


せやから、笑うねん。笑美に言われたから。笑う。笑美に笑ってもらいたいから。笑う。


天国で笑美が、俺のことを見て笑ってくれていますように。


高3の俺は大学入試が近いにもかかわらず、いつもあの場所から笑美に話をする。


春登に注意されたりもするけど、結局春登も一緒に話したりしてな。


毎日いろんな話をした。


―今日な、数学のテスト赤点ギリギリやで?難いねん。見てた?俺の悩んでる顔。―


―春登が俺のこといじめるんやけど!勉強より笑美の方が好きやっちゅうねん!なっ―


―最近風邪気味や。笑美、看病しに来てや。治るまでよろしくっ。―


しょうもない話、悩み相談、勉強相談、色々話した。その時、笑美は笑ろてくれてましたか?


そして・・・気づけば・・・――



「よっしゃ!春登!」


「はぁ・・・。報告ね。」


「おう!行きたないんやったらえぇけど。」


「行くに決まってるだろ!」


「たまには二人っきりにしてぇな。」


「今度にしろ!」


「今度って・・・。」


「あ、ごめん。」


「何しょげてんねん!行くで!」


「・・・あぁ。」
< 145 / 153 >

この作品をシェア

pagetop