君との時間は・・・
そこはいつもの木の下で。桜はまだ咲いてへん。


3月1日。


今日、俺と春登は無事に大学受験にも合格して


卒業します。


「笑美!」


「笑美さん!」


「笑美の分の卒業証書、貰ってきたで~。って言っても、俺と春登の特製卒業証書やけど。」


「字が汚い所は恵ね。」


「あほ!言わんでえぇねん!」


「多分見てただろうね、笑美さん。」


「・・・そやな。下手な字やな、って。」


「いや、汚い字だな、って。」


「おい!」


「まぁ、受け取って、笑美さん。」


俺は特製卒業証書を、木の根のところに置いた。そして、最後に笑美にあてた手紙を・・・。


「読めば?」


「・・・は!?嫌やし。春登がおるところでとか嫌や!」


「じゃぁあっち行ってるから。5分だけね。」


「・・・えぇって。置いて帰るから。」


「読んでほしそうな顔、してそうじゃない?笑美さん。」


あぁ・・・笑美なら・・・


『読んでよっ。恵の口から聞きたいからっ』


って言いそうやな・・・。


仕方なく、封筒を開く俺。そっと離れていく春登。


ありがとう・・・。
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