君との時間は・・・
笑美、そこから俺は見えますか?


笑美、俺のことまだ好きでいてくれてますか?


笑美、俺、言いたいことはメッチャあるけど書ききれへんから一番言いたいことだけ言うで?



―そこで俺は一呼吸おいた。


そっと目を閉じると、隣に笑美がいてくれてるような気持になった。




笑美―――



君との時間は、俺にとって最高の宝物やで



笑美、俺もな・・・



世界で一番愛してる


笑美の夫、恵




―ここで俺の手紙は終わり。ホンマはもっと書きたかった。


けど、今はこれを一番伝えたかったから。


笑美、俺の気持ち届きましたか・・・?


「恵。」


「春登・・・。」


「恵にしてはなかなかの文章だったな。」


「うっさい!なんや、俺にしては、て。」


「でも、それが恵だからいいんだろうな。笑美さん、喜んでるかな。」


「・・・喜んでくれてたらえぇねんけど。」


その時、俺と春登の間を静かに風が通り過ぎて行った。


まるで、誰かが喜んでるかのように。


暖かくて、優しい風やった。
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