君との時間は・・・
「急に用事思い出してんて。せやから帰らなあかんから、って言うてたで?聞いてなかったん?」


「知らへんよ!聞いてへん!さっきまで勉強せなあかんよ、とか言うてたんやし。


それに、あいつ今日は用事ないて言うてたんやもん。」


「そぉなん。でも、もぉ家につくころなんちゃうんかな。


少しでも勉強教えてもろたんやったら、電話の一本でも入れときや?」


静かにドアを閉めて出て行ったおかんを見て、嘘ついてるんとちゃうのは分かった。


なんで急に帰ったんや。せめて「帰る」くらい言うたらえぇのに。


待ってた今までの時間返してぇや。


まぁ、とにかくおかんの言う通り礼ぐらいは言うとかなあかんよな。


自分のケータイを持ってない俺は、家の電話で綾の家に電話することにした。


プルル・・・プルル・・・プルル・・・


『はぃ。』


「あ、綾?」


『・・・なによ』


「何で急にか」


『もぉ恵になんか会いたないわ!』


プチッ――


え?何で切んねん!?
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