君との時間は・・・
「・・・綾?と、とりあえず落ち着こぉや?・・・綾だけのせいちゃうやん?」


「恵はやっぱり・・・アホや。女の子を泣かせること自体・・・間違ぉてるで。」


「・・・すまん。」


俺の目を見る綾は・・・今まで見たことないくらい・・・キレイやった。


いや・・・ちゃう。ただ俺が気がつかへんかっただけや。一番長く綾と一緒に


おったんは・・・俺やのに。綾の、本当の気持ちに気づくよりも、もっと


綾のことを、ちゃんと見てへんかったからや。“ただのおさななじみ”としか


見てへんかったから、綾の気持ちに気付いたれへんかったんや。


「綾・・・。俺のこと・・・いつから好きでおってくれてん?」


「・・・ずっと昔からや・・・。多分恵は気づいてへんかったやろ?って


さっきも気づいてへんかったんやし、そりゃそぉやんな。」


泣き顔で無理に笑う綾は、一人の女の子やった。おさななじみやなく・・・。


「綾!俺、お前の気持ちにちゃんと気づいてやれへんかった。せやけど


今、綾の気持ち聞いて、めっちゃ」


「恵!」


俺が話してるのに、なんで止めんねん。言わせてぇや。


“めっちゃ嬉しかった。せやから、付き合いたい”って・・・。
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