君との時間は・・・
扉の奥にあるもの

高校・合否

今更後悔しても遅いのは分かってるんやけどな。今の俺ができることは・・・。


“志望高校合格”だけや。そぉいえば、合格発表の日にちが近づいてたような。


カレンダーを見てみると、2週間後に迫ってた。決まるんやな、俺の進路。


落ちてたらどないしよ。いつか綾にもう一度逢えた時、“志望高落ちた”


て、そんなん言えるわけないし。あかん。今からそんな縁起でもない事考えたら。


・・・でも心配なんは、まだあって。あの子は今どんな気持ちでいてるんやろ。


俺と一緒の気持ちやったら・・・って、俺考えすぎちゃう?!どないしたん!?俺!


同じこと考えすぎちゃう?あ、でも気になるんは、しゃぁないやん。


「“人間”なんやし。ずっと何かのこと考えてる生き物やし。」


「あの。」


「わっ!!な、なんや梨穂。」


「わっ、って失礼やな。あんた、独り言もホドホドにせな、独り言になってへんで。」


「は!?何言うてんねん。独り言なんか言うてへんやん。」


「あんた、バカなん?“ずっと何かのこと考えてる生き物やし”とか言うてたやん。」


なんで知ってんねん!?


「ホドホドにしぃよ。」


人の部屋に勝手に入ってきた、思たら勝手に出て行ってもぉて。なんやねん。


「ノックぐらいせぇや~!」


「あんたに言われたないわ!独り言男!」
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