君との時間は・・・
入学式の最中も俺の頭の中は目の前の女の子のことでいっぱいやった。


席順の関係で、俺の目の前の席があの女の子やったせいで・・・。


・・・ある意味幸せや。


俺が気づいたときには、入学式も終わり退場し始めてた。いよいよ・・・


あのクラスへ向かうんや。あの子と同じ空気が・・・って!


俺、変態なんとちゃう!?



ショートホームルームが始まった。ってか・・・めちゃめちゃ近い!!


俺の左斜め後ろに・・・あの子がいてるんですけど!?ドキドキしすぎてて


先生の話が全然頭に入ってこぉへん。俺、頑張れや、今こんなんでどないすんねん。


一年間一緒にこのクラスで過ごすねんで。こんなんやったら、俺の心臓もたへんで!?


「鈴木恵くん」


「はぃ!?」


「鈴木くんの自己紹介の番よ?」


急に話しかけて来た、と思たら、それは担任の先生やった。


あ、今って自己紹介の時間なんや・・・。全然知らへんかったわ。


「え、あ、鈴木恵です。女みたいな名前やけど男なんでよろしくです!」


「はい。これからよろしくお願いしますね。では、次は・・・」


自分の自己紹介するんは苦手や。絶対、俺が自己紹介した後は周りのやつらが


俺の方を見ながら、こそこそ話しだすんやもん。まぁ、慣れてるからえぇけど。


「では、以上で皆さんの自己紹介の時間を終わりますね。皆さん、これから1年間よろしくお願いしますね。」
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