君との時間は・・・
せやけど、こんな俺らでも昼休みは一緒にすごさへんねん。


理由は、俺がそぉしたいからやねん。


俺は、昼休みだけは・・・一人で眺めたいねん。俺ってやっぱ変態なんやろか!?


「やっぱり、今日もあの桜の木の下で一人でいてるねんな。」


あれは、俺がたまたま昼休みに窓の外を覗いたんがきっかけやった。


いまだにあの女の子の名前が分からへんままやけど、あの女の子はこの学校に入学してから毎日のように


校庭の桜の木の下に一人でいてる。特に何かあるわけでもないねんけど


いつもあの場所で、何かを見てる。それで、チャイムが鳴ると同時に歩きだすねん。


このクラスに向かって。いつも何してるんか、聞いてみたいねんけど


なかなか聞かれへんねん。・・・名前さえ知ってたら、話しかけやすんやろけどな。


「恵、次の授業移動教室だからそろそろ移動しない?」


春登が俺のところに来て次の授業へ向かおうと誘ってくれる。


俺が窓の外を眺めている間、春登がどこで何をしてるんかは、俺も知らへん。


いつも授業が始まる前に、こうやって俺に知らせに来てくれるんやけど。


ホンマはもっとあの子を見てたい、ねんけど、あの子もここに戻ってくるんやし


それに、俺が窓の外を見てることに気づかれても気まづい。


春登が来てくれるタイミングが良すぎて、毎日助かってるっていうんがありがたい。


「ほな、移動しよかな!」
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