君との時間は・・・
それまでは、ヘラヘラ笑ろてた俺も真剣に話を聞いた。


君の過去の話を。まず、君が心臓の病気だったということ。手術も成功して学校に行った時、居場所がなくなっていたこと。


中学へ行くことを拒んで結局、最後まで行かれへんかったこと。


そしてこの高校へなんとか合格して、ここへ引っ越してきたこと。


君の過去を、全て話してくれた。俺は・・・今どんな顔をしたらえぇんやろ。


って、考えてる間も、きっと俺の気持ちは顔に出てたんやろな。


「ごめんね・・・。こんな話で・・・。」


俺がきっと悲しい顔をしてたから、そぉやって言うてくれたんやろな。


「あ・・・いや・・・。俺も・・・嫌なこと思い出させてもぉたよな・・・。」


もとはと言うたら、俺が君にこんな悲しい過去を思い出させてもうて、話させてもうたんやもん。


俺が悪かってん。君は、全然大丈夫やって言うたけど・・・でも、ごめんな。


よく頑張った、って言うたらまた目を潤ませる君。せやから俺は君に言うたんや。


「・・・泣きや・・・。落ち着くまで・・・待つから・・・。俺が・・・泣かせてもうてんけど・・・。」


でも、君は何か言いたげやった。せやから、俺は自分が行動してん。


君を・・・そっと抱き寄せたんや。・・・よかった。放課後で。誰もおらへんはずやし。


俺が君の泣き顔を見ずにすんだ・・・。


君は俺に泣き顔を見られずに、思いっきり泣けたんやろか・・・。



少しの間、君は俺の胸の中で泣いた。そして、やっと顔をあげてくれたと思ったら・・・


第一声。
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