君との時間は・・・
「ごめん・・・制服・・・濡れちゃった。」


そんなん、気にせぇへんでえぇのに。真面目で正直すぎて、なんや笑てまうやん。


せやから、俺もちょっと正直に「今はそんな過去無かったみたいにピンピンしてる」


って言うてんけど。返事は「ありがとう」やて。ホンマ、おもろいやつや。



で、俺はなぜかこの時重大なことに気づいたんや。・・・なんで今まで気がつかへんかってん!?


俺、アホか?バカか?なんや!?しかも、今このタイミングやで!?聞くべきか・・・


聞かへんべきか・・・。でも、今のままやったら・・・話し続かへんしな。


しゃぁない・・・。ちょっと改まって話し始める俺。


「でさぁ。ここまで話しといてなんやけど。」


首をかしげる、て言うんがこういうことなんやなってくらいピッタリな行動をしてくれる君。


そして・・・俺は、ゆっくりと話してみた。・・・大事なことなんとちゃう?


「俺らお互いの名前知らんやんな?」


ポカンと開いた口。大きな目をパチパチ。・・・こんな可愛い生き物います!?


やっぱりお互い名前を知らへん同士やった。けど、友達やからってことで名前を聞くことになった。


普通は最初に聞くようなことやねんけどな。そして、俺は君の名前を知った。


笑うに美しい、って書いて「えみ」って読むねんて。女の子らしい可愛い名前や。


ただ・・・。恥かしがりすぎやと思って、思い切って言うてみた。それやのに


答えが返ってくるどころか「無理」て。えらい、拒否されたんやけど。


「無理って、なんや。友達やのにそんな話し方されたら、他人みたいやん。俺、そんなん嫌やで。」


俺の正直な気持ちや。・・・せっかく仲良ぉなれたんやのに、他人みたいなんは嫌やんか。
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