君との時間は・・・
でも、笑美は話を濁して俺の名前を聞いてきた。


「い、言えないの?」


話濁した、って言うたら、言えへんのかって。その言葉につい動揺して焦ってもぉて。


「は!?べ、別に言えへんわけちゃうよ!笑美が話濁すから言うただけやん!?」


「じゃぁ言ってよ。なるべく・・・私も恥かしがらないで話すか、ら。」


お!?意外な展開やん。それやったら・・・言わなあかんな。


それやのにぃ!「俺の名前は・・・」って言う度に返事されて、なかなか言われへん!


「っつぅか、そんな頻繁に返事せんといて!?」


「・・・ごめんなさい。」


ついキツく言ってもぉた俺に、誤ってくれる君。あかん、俺。落ち付け。


もぉ慣れてるやろ。今まで何回も言われてきたんやし。それに、なんや、少しずつ・・・


笑美がイライラしてきてるように見えるような・・・。気のせいか?


そして、やっと俺の名前を言うた。俺の名前は・・・恵みって書いて「けい」って読むこと。


そして、俺が思ってた通りの返事が返ってきた。


「可愛い名前ね?」


って・・・あかんっ・・・抑えられへん!やっぱり慣れてへんっ。


「そ、それが嫌やってん!」


あかん~っ!俺の口がぁ!止まらへん!!


「みんなに男やのに、可愛い可愛い言われるから自分の名前言いたないねん。」


・・・言うてもぉたぁ。・・・嫌われた、かな。


「そんなに怒らなくても良いんじゃない?」


「ん?俺、怒ってへんよ?」
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