君との時間は・・・
平然を装ってみる。まぁ・・・怒ってるて言うより・・・


「でも、すっごく嫌がってたし・・・。」


「嫌やもん。男やのに。」


それやねん・・・。ホンマに嫌なんやし。でも・・・親に付けてもろた名前やからな。


「でも・・・良い名前だと思うよ。幸せに恵まれてそうで。」


そう言うてくれた笑美は、嘘とかお世辞とかとちゃうかって、ホンマに言うてくれた。


笑美の目が・・・真面目やったからかな。・・・おかしぃかな?


まぁ、そのおかげで「なんやそれ」って鼻で笑いながら言えてんけど。


そして、笑美は俺に「友達になってくれてありがとう」って言うた。


俺やって、笑美と友達になれて嬉しいのに。先に言われたせいか恥かしさがこみ上げてきて・・・


顔が赤くなってたらしい。


「なんでそんなに顔が赤いの?」


「うっさいわ!・・・暑いねん。」


この時期、暑いのは俺だけやと思うねんけど。


「あ、夕方だしね。・・・?」


「そうや。せやから顔が赤く見えんねん。」


そぉや。夕方・・・やし?あれ?なんかちゃうような・・・。まぁ、えぇか。


もぉ夕方なんやな・・・。なんか早かったでな。もっと・・・笑美と話したいねんけど。


と、思って笑美の方を向いてみると・・・。笑美のほんのり笑った顔が夕日に照らされてた。


笑美が・・・少しだけ笑ろてる・・・それを見て思わず出てもぉた言葉・・・。


「笑顔が・・・美しい・・・やな。」


あかん・・・俺、ホンマに・・・笑美のことが・・・
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