君との時間は・・・
「そんなん、たまたまやろ。俺やって、昨日初めてまともに話したんやし。」


「あ、そうなんだ。初会話相手ってことだね、」


「わからへんやん。・・・他のクラスとかに話し相手がいてるんかもしれへんし。」


「それはないよ。」


少し声のトーンを落とした春登。春登、笑美の何かを知ってるんか?


「なんでそぉ思うねん。わからへんやん。笑美の友達情報なんか。」


「だって、いつもクラスにいて誰かと話してるところなんて見たことないでしょ?」


「そぉやけど・・・。あ、でも昼休みは出て行くやん!そん時に誰かと・・・話してるんかもしれへんやん・・・。」


多分、俺が初めてやったと思うねんけど・・・。


「山本さんは昼休みはいつも桜の木下にいるよ。」


春登のその言葉で俺は固まった。春登も見てたんや・・・。笑美を。


「まぁ、昨日はあの件で見れなかったけどさ。僕いつも昼休みは見かけてたんだ。木下に一人で立ってる女の子がいる、って。可愛らしいよね。」


可愛い、か・・・。まぁ、俺のほうがずっと前から気づいててんけど。


笑美の可愛さくらいな。


「女子って不思議やんな。」


「いや、山本さんが不思議さんなんだよ。」


「・・・そぉなんかな。」


「まぁ、とにかく、昨日初めて話したんだよね?」


「おう。初めて・・・やな。」


「ならよかった。」


よかった?なにがや。さっきから春登・・・なんか・・・


「ねぇ恵!」


「な、なんや。」
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