君との時間は・・・

不安・嫉妬

それからの俺は、事業なんか全然頭に入ってこぉへんかった。


笑美とその弟・・・のことで頭がいっぱいやった。考えただけでイラ立ちが増す。


それやったら、考えへんかったらえぇのに考えてまうねん。やっぱり・・・


笑美のことが好きやから。誰にも渡したないのに、その気持ちが通じへんことにもイラ立つ。


これは俺が悪いねんけど。自分が行動せぇへんから笑美にも気づいてもらわれへんのや。


せやけど、さっきの話からしてみても『弟』っていう存在が引っかかって俺の中をめちゃくちゃにしてく。


ホンマに弟なんか、笑美の彼氏なんか。不安が募っていく。もしも彼氏やったら・・・


俺は勝てへんのやろか。無理やわな。彼氏がいてるってことは、笑美はそいつのことが好きやねんもん。


それやなかったら、付き合う理由もないんやしな。


でも、ホンマに弟やったら?・・・まだ俺にはチャンスがあるんとちゃう?弟やったらな。


今は・・・笑美が『弟」って言うたことを信じるしかない。信じることから始めな。


失敗してもぉたら意味無いやん。焦ってもあかん。かといって、遅すぎてもあかん。


とにかく今は・・・出来ることからしていかな。


キーンコーン、カーンコーン―――


『それでは今日は、これで終わ』


「よっしゃ!帰るで!」


俺は先生の言葉を無視して、学校を出た。帰る途中思い出したこと。


「あ・・・笑美にあいさつするん忘れてたわぁ・・・。」


笑美・・・今どんな気持ちでいてるん?俺は、いつでも笑美のことを考えてるねんけどな。


明日は、まず今日のこと謝らなあかんな。昼休みん時、最後・・・若干キレてもうたんやし。


多分、笑美やったら抱え込んでるはずやし。俺が悪いねんけど。せやからまずは・・・って。


もしかして・・・嫌われてもうたかな。
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