君との時間は・・・
次の日の朝。結局寝られへんかった。またあの夢見るかもしれへんって思ったらなかなか寝付けずに朝になってもうた。


「・・・行ってきます。」


「恵!」


朝飯も食わずに出て行こうとする俺を、姉貴が止める。


「・・・なんやねん。」


「あんた、その顔で行く!?」


「・・・は?」


その顔て・・・どんな顔や。そぉ思て洗面所に向かい鏡を見て・・・


「うっっっわっ!!!」


あかん!こんな顔で行かれへん!どないしよ!?眼の下、クマ出来てるやん!


「あーぁ。恵、そんな顔じゃ、好きな子に嫌わ」


「うっさい!」


今、そのことについて触れてほしくないねん。ホンマ、姉貴は。


「で、顔。直さなね。」


「・・・もぉえぇ!行くっ!?」


「このタオル、目元にしばらく乗せといたら少しは違うから。」


「・・・温い。」


姉貴が勝手に用意してくれたんやろ。まぁ、このひどい顔で笑美には逢いたないし。


しばらくはこの温かいタオルを乗せて・・・待つか。


「ありがとう・・・。」


「あら、めずらしい。」


「やっぱ、うざい!」
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