君との時間は・・・
「春登で良いって昨日言ったのに!?」


「あ、ごめん。なんかボーっとしてたら言っちゃった。」


は・・・?春登で良い?俺の心に何かが刺さったような気がした。けど、なんとかすぐ取れた。


途中から聞いてもうたかたらわからへんけど、多分・・・名前のことやと思うから。


おそらく笑美が春登のことを、君付けやなくて呼び捨てで呼ぶことに対しての注意やろな。


『ボーっとしてたら言った』言うてたしな。


なんでか、ここで一安心・・・したような気がする。ん?何に対してや?


まぁ、えぇ・・・かな。俺も笑美に謝らなあかんし。もぉ俺あそこに登場してもえぇかな?


これ以上あいつらを二人っきりには、て俺の心がざわついてきてるし。


と、思った矢先・・・また俺の足は動くのをやめた。


「まぁいいや。で、弁当食べないの。」


「あ・・・うん。食欲なくて。良かったら食べて。」


「まじで!やった。今日パン1個だけで、たらなかったんだよ。じゃぁ、いただきます!」


なんで、春登が笑美の弁当食ってんの?まぁ、笑美が勧めたことやからしゃぁないけど・・・。


羨ましいやん。イライラしだす俺。笑美の弁当を食ってる・・・春登にではなく・・・


なんでやろ。笑美に少しイライラしてまう。


「これ、ちょーうまい!」


「ありがとう。初めて作ったんだけど、良かった。」


「え!これ、笑美が作ったの!?」


笑美・・・て。春登も笑美のこと呼び捨てなんやな。


「今日はね。いつもはお母さんだけど。」


「じゃぁ、俺ラッキー!笑美の初弁当いただきました。ごちそうさま。」
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