君との時間は・・・
目の前には数学のノート。真っ白のページ。写せてないからな。


せやから・・・俺はそのページにでっかく書いた。


―ぜってぇ、あきらめんな!バカ!アホ!俺!―


何回も言い聞かせながら書いた。俺、弱いやん。けど、そんなん、強化したらえぇやん。


バカは、バカなままでもえぇけど、バカなりに考えなあかんねん。まずは、強化からや。


笑美の春登に対する態度とか見ても、逃げたりせぇへんと受け止める。


けど、俺も頑張んねん。何を頑張るんかはわからへんけども!えぇねん!


なぁ!俺、バカやけど!アホやけど!笑美のことめっちゃ好きやねんもん!


って、俺の言い聞かせながら前に進んでいく。


笑美は、時々春登のことを呼び捨てにする。けど、それでも、俺はもともと呼び捨てやったしって開き直った。


3人で話してても、できるだけ辛い気持ちがでぇへんように頑張った、つもりや。


笑美の家が、俺と春登と同じ方向にあるってことも知って、3人で帰ったりもした。


3人でおる時間は長くなった。けど、まぁ・・・正直、嬉しさと辛さは同じくらいやったけど。


そんなこと言ってられへんし。そして・・・俺が数学のノートを提出して、数学の先生に呼び出しくらったんは・・・そっとしといて。


あっという間に時間がたって・・・あのシーズンが来た。


「体育会かーーー。」


そう。体育会や。俺は、運動が得意なほうではない。


まぁ俺が考える運動音痴度は50メートルを7秒代で走れへんかったら運動音痴とみなす、くらいなんやけど、なにか?


この前走ったら8秒ジャストやった。・・・俺、劣ったな。


「恵?」


「おう。なんや、春登。」


「種目何にする?」


「春登は何にすんねん。」
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