君との時間は・・・
「今のとこ、騎馬戦。」


「ほな、俺もそれ。」


「・・・そんな決め方かよ。」


「えぇやん。俺、運動音痴やし。」


「そっか。・・・了解。じゃぁ恵の名前も書いてくるよ。」


「さんきゅー。」


騎馬戦か。赤と白の帽子。引っ張り合いか。力つけなあかんな。


笑美に・・・見られるんやし。へまはできへん。


「はぁ・・・。」


「お、どないしたん。ってか、俺の名前ちゃんと書いてきてく」


「書いた。」


「さんきゅ~。で、どないしたん。」


「俺、100メートルも出ることになった・・・。『春登くんは足速いから』だってさ・・・。」


「・・・どんまいっ!」


それから、体育会の種目練習が始まった。どうやら、笑美は借り物競争らしい。


春登が・・・聞いてきたらしい。騎馬戦の練習試合が終わって春登に呼ばれた。


仕方なく少し輪から外れた。あくまで、仕方なく。大体、内容が・・・。


俺の顔が不機嫌なことを知らせる。


「恵。」


「・・・なんやねん。」


「俺さ、好きな人がいる。その人に、この騎馬戦で俺が一番になったら、付き合ってくれって言うつもりなんだ。」


「ほぉ。で、俺に何の用や。」
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