君との時間は・・・
「なんや、人をお化けみたいな言い方して。」


「だって、恵こそこんな朝早くから何してるの?」


「・・・練習や。」


「練習?」


「騎馬戦のな。ゆうて、相手いてへんから筋トレぐらいしかできへんかったけど。」


「筋トレかぁ。何で筋トレ?」


「脚の筋肉つけたいなぁって思てな。」


最初は色々やっててんけど。バカやからしゃぁない。


「笑美は?何でこんなに早いねや?」


「なんだか、早くに目が覚めちゃって。」


笑美も寝られへんかったんや・・・。そっか。そぉやわな・・・。笑美が一番辛いやろな・・・。

「そぉかぁ。・・・なんや、暇やな。」


「・・・そうだね。いつもはここに春」


春・・・春登か、と思ったのに。


「ねぇ!屋上行こうよ!太陽が顔のぞかせるよ!」


話を濁した笑美。気ぃ使ぉてくれてるんやろな・・・。


「・・・まぁ、暇やし行くか。」


せやから、今は笑美に合わせよ。


笑美と一緒に階段を上っていく。屋上へつながる扉を笑美が開ける。


「俺、屋上来るん初やわぁ!」


「そぉなんだ。あ、太陽昇ってる。ちょっと遅かったかな。」


確かに、太陽はめっちゃまぶしかった。もう少し前やったら・・・もっとキレイやったやろな。
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