君との時間は・・・
笑美は顔をあげて俺を見てる。今、笑美の目には・・・俺しか映ってへん。


春登やなく、俺が。今にも泣きそうな笑美。えみ、笑美・・・。聞いてや?


「・・・笑美。俺も好きだよ?」


やっと言えた・・・。ホンマは騎馬戦が終わってから言うつもりやったのに。


笑美に先に言われてもうたんやし。言わなおかしいやん。


「え・・・そ、それ」


「でも」


そう。ここからが大事なんや。笑美の顔が少し不安げな表情になる。


そんな不安がらんとってや。俺、笑美のことめっちゃ好きなんやから。


けど、ちょっとだけ・・・意地悪かもしれへんけど・・・我慢してや?


「今日の騎馬戦で俺が春登に勝ったら付き合ってくれ。」


「・・・え?」


笑美の頭の上をハテナが飛んでる。ごめんな。けど、これが終わらなあかんねん。


ちゃんとせな、俺の中でキリがつかへんから。きっと・・・春登も。


「春登にも言われたんやろ?」


けど、口をきいてくれない笑美。もしかして、無視されてるん?

「聞いてるよな?笑美?」


「え!?あ、聞いてるよ・・・。」


やっぱり、笑美の頭の中はパニック状態らしいな。ちゃんと話聞いてくれるとえぇねんけど。


「あの騎馬戦練習終わったときな、あいつ俺に言うてきてん。


多分、これは言われてないはずやから言うけど。俺なあいつに、笑美のこと好きなんは恵だけとちゃうからって言われてん。」


そう。あの時の言葉。いつも俺はこの言葉を心の隅において今まで頑張ってきた。


笑美のことが一番好きなんは、俺やって。
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