君との時間は・・・
俺の手を引いて歩き出す笑美。けど、俺は立ち止まる。そして、笑美の手を引っ張って自分の胸の中に引き込む。


ごめん、春登。そう思いながら俺は・・・笑美を抱きしめた。


卑怯なことしてるんかもしれへん。それでも・・・今は笑美に触れたい・・・。


「け、恵!?」


「絶対負けへんから。春登には渡したないから。」


「・・・信じてるから。大丈夫だよ。」


静かにそう言って、俺から少し離れる笑美。その笑美が可愛すぎて・・・俺の理性がまた抑えられんくなる。


「笑美・・・」


「え?んっ・・・」


さっきとは違う、長い時間のキス。ただ重なり合っているだけの唇が熱い。


「ちょっと、待てそうになかってん。ごめんな?」


「・・・全然。恵・・・大好き。」


「俺も、大好きや。」


笑美を近くに感じる。騎馬戦、春登。神様・・・。俺、勝ちたいねん。


笑美を・・・俺の女にさせてくれや・・・。


そう願い、俺は騎馬戦へ挑んだ。
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