君との時間は・・・
「でも、そんなん春登の気持ちはどないすんねん。」


「春登の気持ちには答えられない。」


「笑美さん?」


そのとき、春登が俺と笑美のところに来た。ナイスなタイミングやな・・・。


「僕じゃダメなの・・・?」


「うん。私には、恵しか見えないの。」


「でも、僕は恵に勝ったんだよ?何で勝った俺じゃなくて、負けた恵なの?」


そうやで・・・?笑美。俺は負けたんや。それやのになんで、俺を選ぶねん?


「勝ち負けじゃないよ。私が心から好きなのは、恵しかいないの。」


「なんでだよ!?恵のことは友達だって言ったくせに!俺のこと、応援するって言っておいてそんなの、ありえねぇだろ!?」


春登は完璧にキレてもうてる。けど、笑美は少し引いたように見えたけど、自分の意思を貫いてる・・・。


「好きなの。恵のことが、好きで好きで。好きすぎて壊れちゃいそうなくらい、大好きなの。」

笑美・・・俺もやねん。俺も・・・もう嘘はつかれへんな。


「笑美・・・?」


笑美の顔が俺の方を向く。そして・・・今度はホンマやで?


「俺も、笑美が好きで好きで、たまらんねやけど。」


俺のホンマの笑顔で気持ちを伝えた。笑美に届いたんやろか・・・?


笑美の目が少しずつ潤みだす。届いたんやね・・・笑美。そして、笑美の頬を一粒の滴がつたう。


「笑美・・・」


春登が笑美に向かってつぶやいた言葉。春登も・・・笑美のことが大切なんが伝わってくる言葉やった。


「俺は笑美を泣かせたりしないよ?」


「涙はね・・・。嬉しいときにも流れるんだよ?」


笑美が春登にやさしく微笑む。俺、笑美の笑顔が一番好きや。
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