君との時間は・・・

悪魔・姫様

「うっ・・・。」


その時、一瞬だけ笑美が苦しそうな表情をした。


「ん?どないした、笑美?」


「あ、うん。ちょっと一瞬体に痛みが走っただけ。」


「疲れたんやろ。走ったしな。後はゆっくりしとき。」


さっき走ってもうたのが、笑美の体を一気に疲れさせてもうたんかもしれへん。


この後は昼食やし、午後から笑美が出る競技はない。休息をしっかり取らせたらえぇと、このときは思った。


「うん。ありがと。」


「笑美、なんかあったら、恵か俺に言うんだぞ?」


「それ、俺だけにせんのかい!?なんで春登も視野にはいってんねや!」


「恵だけじゃ心配だからだよ。」


ホンマにこいつは俺が何か言うたら、ちょこちょこ付け足してくる。余計なお世話や。


と、思いながらも、ホンマは心強いねんけど。こうやって言い争ってるけど楽しいしな。




そして、高校生活初めての体育祭は幕を閉じた。色々あったけど、何事もなく?終わった。


今日は笑美と一緒に帰ることになった。今日くらいは・・・春登も気ぃきかせてくれたらえぇな。


と思って、帰り支度をしてる途中に・・・呼び出しぃ。


しかもややっこしいことに、今すぐ解決できそうにないことや。国語・英語・数学に関してのこと。


国語は、ノート提出ができてないこと。英語は、単語テストの点が悪すぎてやり直しの話。


数学にはノート提出はしたものの、ろくに板書を書き取ってないから自分なりにまとめて来いっていう話し。


これを今日のうちに全部せなあかんらしい。けど、今日は体育祭やん。ノートなんかないし、再テストも、今やっても結局一緒やん?


できへんもん。覚えてへんもん。せやから、なんとか、なんっとか今回は、いや、今日は逃がしてもろた。


そろそろ行かな・・・待たせっぱなしやしな。
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