君との時間は・・・
「失礼しましたぁ~・・・っ!」


職員室から出るや否や、笑美のもとに猛ダッシュ!チラッと時計を見ると軽く20分くらいは遅れてる。


絶対怒ってるんやろな・・・。どないしよ。怒られてたのは事実やし、真面目に言うのがえぇか、たぶらかすんがえぇか・・・。


そんなことを考えながら、何とか笑美を発見。


「ごめん!遅なってもうた!」


「やっときたー。遅いよ。」


「すまんて。職員室に呼ばれていってきてん。」


思わず口に出てきた言葉。このまま・・・話そうか・・・。


「出さなあかん課題がまだ提出できてなくて、色々怒られててん。ごめん!」


まさか、3科目で怒られたとは言いづらく、けど、大きくウソついてるんとちゃうから・・・。


「ほな、帰ろか?」


この場を何とか逃げ出したくて、つい言ってもうた。これはさすがにまづいかもしれへんと思ったけど、少しあきれてるかもしれへん笑美も歩き出した。


けど、またすぐ俺は足を止めた。


「あ、そぉやった!」


ひとつ、忘れかけてることがあった。大事なこと。春登もホンマにいてへんし・・・。今しかないと思った。


「恵!?どうしたの?」


「春登とかいてたから、こうしたくてもできへんかったんやもん。せやから。」


ずっと思ってたこと。笑美を、抱きしめたい。俺としたことが・・・忘れるとか、あかんやんか。


「笑美の匂い・・・えぇ匂い。」


今朝も思ったけど、笑美はめっちゃえぇ匂いがする。多分・・・ココナッツやな。


「お気に入りの香水なの。」


「俺も好きや・・・。」
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