今日から、他人行儀はじめます~仮面王子×天然美少女~
季節は、春から夏の変わり目。
春から夏といえども、肌寒い。
「やっぱり、ジャンパー着てこればよかったな」
そんな事を、思いつつ、先輩の所へ。
「先輩っっ!!」
「真由ちゃん!来てくれてありがとう」
「いいえ、とんでもないです」
そんな、会話をしながら、ベンチに座る。
真っ暗な公園は、気味が悪い。
今にも、なにか出てきそうな感じがする。
そんな事を思っていると、先輩が口を開いた。
「あ…のさ……真由ちゃんは、今彼氏とかいる?」
「へぇ??」
あまりにも、唐突な先輩の質問に、
変な声が出てしまい、慌てて口を押さえる。
どうしよう……これって、ホントの事言った方がいいよね?
「い……いません……」
「そっか……」
ちょ、ちょ、何??この雰囲気!?
気まずすぎるでしょ??
アタフタするあたしを、よそに、先輩は話を続ける。
「好きな異性のタイプは?」
「た……タイプですか……?」
なんで、先輩は、こんなことばかり聞いてくるんだろう。
好きな異性なんて……。
一瞬、光康の顔が頭によぎった。
でも、あれは……終わった事。
「タイプは、好きになった人がタイプです」
これは、本心。
特に、これがないとダメって事はないから。
「じゃ、脈ありだな」
「はい?」
先輩が、ボソッとなにか呟いたけど、
あたしには、なにを言ったのか聞こえなかった。
何を言ったんだろう……?
首をかしげたその時。
「え……」