今日から、他人行儀はじめます~仮面王子×天然美少女~
デパートから出ると、直輝と真由が目に入った。
ま、この馬鹿お嬢様は気づいてないみたいだから、
良いとするか。
しばらく歩くと、人気のない路地になった。
しょうがねぇじゃん…
家まで送ってってやってんだから。
「ね、岡本君?」
「はい?」
「楽しかったですか…?」
…は??
楽しいわけね~だろ…
でも…
「はい」
ニッコリと、笑顔で言ってやる。
すると、中野は、嬉しそうに、
「私もですッ」
と言った。
そりゃそうだよな…
人のこと散々振り回しておいて…
心の中で悪態をつく。
「ねぇ…岡本君?」
「はい??」
今度は、なんだ??
「なんで…あんなにお金、持っていたんですの??」
「え??」
予想外の質問だった。
そうだよな…普通の高校生が、40万なんて大金、
持ってるわけ、ねーもんな…??
「岡本財閥」
「は??」
まさか、そこまで調べてあんのかよ…??
「岡本財閥。 業界NO,1の大財閥」
「それがどうかしましたか…??」
知らないフリをする。
「知らないわけありませんよね…岡本君??」
勝ったとでも言うように、
頬笑みながら言った中野に、
俺は……