今日から、他人行儀はじめます~仮面王子×天然美少女~
5分ぐらいして、ももが帰ってきた。
「ど~だった??」
「………」
いくら待っても、ももが口を開こうとしない。
嫌な予感がした。
「ま……まさか…」
あたしは、嫌な予感を振り切るように、全力でカフェに向かって走り出した。
「真由!! 行っちゃダメ!」
あたしを、引き留めようと、ももが追いかけてくるけれど、
もう、止められなかった。
カフェの中を、見た瞬間……
あぁ……
そうだったんだ……って、思った。
息を切らしたももが、あたしに追いつく。
「真由……」
「もも……こういう事だったんだね」
あたしが、先輩の話をしたら美優が居なくなる理由が、やっとわかった。
カフェの中で、優しく笑いあう、美優と先輩。
先輩は、美優の肩に腕をまわしている。
明らかに、友達じゃないとわかる二人。
「はは……あたし…どうしたらいいのかな?」
乾いた笑い。
それしか、出てこなかった。
「真由……」
ももは、あたしの名前を呼ぶことしかできないみたいで。
あたしは、ただ、立ちつくすことしかできなかった。