今日から、他人行儀はじめます~仮面王子×天然美少女~
「理香ちゃんと、婚約するんですね。おめでとうございます」
嘘。
おめでとうなんて、思わない。
でも…
これしか、言葉が出てこなかったんだ。
「それ、本気で言ってるんですか?」
悲しそうな、苦しそうな…
そんな、複雑な顔をする光康。
掴まれている手に力が入ったのがわかった。
「本気です」
「なんでー…「あたし達は、他人でしょう?」
光康の言葉を遮り、
あたしは、続ける。
「貴方が、婚約しようと何しようと、あたしには関係ありません。」
言った…
言ってしまった…
でも、もう止まらない。
「大体、迷惑なんですよ。こんな風に呼び止められるのも。」
そんなこと、思わない。
なのに…
「もう、二度と、あたしに近寄らないでください」